top of page

「口喧嘩」を「話し合い」に変える

結婚して一緒に暮らし始めてから、相手のささいなことが気になったり、日常のちょっとしたことがきっかけで言い合いになったりした経験はありませんか?

初めはささいな意見の食い違いだったのに、気づいたら大きな喧嘩になっていた、喧嘩にならないよう気をつけて話したのに、結局いつも同じような喧嘩を繰り返してしまう、そんな悩みはどう解決したらよいでしょうか。


今回は、夫婦間の不協和音が生じたとき、話し合って解決するためにどうしたらいいかを考えてみましょう。


口喧嘩になりやすい状況として、以下のような例を挙げてみました。喧嘩になる時には何が起きているのでしょう。そして、喧嘩を回避するためにはどのようなことを心掛けたらいいのでしょうか。



1 それぞれの価値観を理解しようとしない


多くの人は、自分の育ってきた家族や生い立ち、これまでの人生経験をもとにして、自分なりの価値観を持っています。そして、ごく自然に身につけてきた価値観であるあまり、自分の「当たり前」が相手にとって「当たり前」ではないことや、そもそも、それぞれの「当たり前」が違うということに気づいていない場合があります。まずは、相手の価値観を頭ごなしに否定せず、相手の気持ちや考えをよく聞き理解することに努めましょう。


2 どちらの意見が正しいかを議論してしまう


それぞれの「当たり前」が対立するとき、自分の「当たり前」が正しく、相手の「当たり前」が非常識だと感じてしまうことがあります。しかし、自分の正しさを証明しようとしていろんな根拠を示したとしても、結局は自分の価値観を相手に押し付けることになってしまいますし、どちらの言い分が正しいかを決める議論は解決を遠ざけてしまいます。大切なのは、二人が、ともにストレスなく過ごせる方法を考えることです。互いに相手の気持ちや考えを十分尊重し、解決策を探しましょう。


3 一般論を当てはめて、自分の意見を正当化する


世間一般のやり方に合わせることや、どちらの考えがより常識的かを議論することは、本来の解決にはつながりません。一般論は参考程度にとどめ、○○と考える夫Aさんと、△△と考える妻Bさんにとって、最適な答えを探しましょう。AさんとBさんならではの解決策を見つけること、そのために二人で知恵を出し合うことが、話し合いの基本姿勢です。


4 理屈と感情のすれ違い


いま起きている問題に対して、こういう解決ができるのではないかという「考え」(=理屈)と、こういう気持ちなのを分かってほしいという「思い」(=感情)。話している側面(フェーズ)が違うと、どれだけ話し合ってもかみ合いません。


たとえば、「仕事が忙しくて帰りが遅くなったうえに、家事まで全部やらなきゃいけなくて、ものすごくしんどかった!」と言われた時、「仕事が忙しい時には、家事分担割合を変えて、相手の負担を減らしてあげよう」と対策を考えることが役に立つか、「仕事も家事も全部こなして大変だったね、ありがとう」と気持ちに共感し感謝を伝えることが役に立つかは、人によって、状況によって異なります。いま、どのフェーズで話し合っているかを確認したり、相手が求めていることを確かめ合ったりして、何を話し合うことが解決につながるかを考えましょう。


5 感情的になったり、怒りで相手をコントロールしようとする


話し合いが平行線になると、ついつい感情的になって声を荒げてしまったり、相手を委縮させて自分の意見を押し通そうとしたりすることもあります。冷静な話し合いができなくなってきたら、いったん話を終わりにして距離を取り、落ち着いてから話し合いを再開しましょう。



夫婦間の不協和音が生じたときは、お互いを理解する好機です。ここに挙げた例を参考に、互いの気持ちや考えを大切にしながら話し合い、ピンチをチャンスに変えられるといいですね。二人の話し合いが難しい場合、初めのうちはカウンセラーなどの力を借りながら、話し合いをするためのスキルを身につけていくことも、検討するとよいかもしれませんね。

bottom of page