結婚したり交際を始めたりして、親しい二人の関係が出来上がってきたときにも、それぞれの考えや価値観の違いから、意見が対立することってありますよね。相手の考えを否定したり非難していては、喧嘩になるばかりですが、かといって、自分の意見を抑え込んだり我慢してばかりいることも、良い解決とは言えません。
では、自分のことも、相手のことも、どちらも大切にする方法はあるのでしょうか。
ここでは、「アサーション」=「自分も相手も大切にする自己表現」について解説します。
「アサーション」とは、アメリカで生まれた人間関係やコミュニケーションに関する考え方とスキルで、家族療法家の平木典子氏によって日本に紹介されました。「自分の気持ち、考え、欲求などを率直に、正直に、その場に合った適切な方法で述べること」と解説されています(野末武義著「夫婦・カップルのためのアサーション」)。
アサーティブな関係では、
「自分の意見があっても我慢してしまう、遠慮してしまう、言わなくても分かってほしい」ではなく、
「相手の意見を無視する、けなす、大声で威圧する、相手をコントロールしようとする」でもなく、
「きっぱりとノーと言えるし、納得して譲ることもできる、相手にしてほしいこと・してほしくないことをきちんと伝えるし、相手からの依頼や要求を断ってもいいと思えている」状態を目指します。
これは、
自分が嫌なことは「嫌だ」と言っていいし、相手に対して依頼や要求をしてもいい
同じように相手も、嫌なことは「嫌だ」と言っていいし、自分に対して依頼や要求をしてもいい
つまり、
双方が対等で、互いに無理な我慢はしないし、相手を自分の思い通りにしようとしない
そんな関係を目指しているように感じます。
こんな関係が作れたら理想的ですし、
少なくとも、目指すゴールとして、二人の間で共有できているといいですね。